世界の映画祭の中でも、最も評判の高いトロント映画祭がカナダ・トロントで今、開催されている。
ミステリオが出来たときから、ずっとミステリオを応援し続けてくれているLINDA HOAGLUNDさん、彼女はミステリオクリスマスパーテイーや、テイーンズプログラムにも来てお話しをしてくださったこともある、その彼女の初監督作品ANPOのWorld Premierに、日曜日JOSHと一緒に観にいった。
さすが世界の一流が集まる映画祭だけあって、歩いているだけで参加している人たちの熱いパッションを感じる。
以前ミステリオサマーキャンプでシェフとしてNYから参加してくれたMICA(NYの海の家レストランのシェフ)にもばったり、彼女もLINDAの大ファンだから。
生まれてから高校まで日本で育ったLINDA、大学はアメリカで過ごし、卒業後はテレビ局に勤務、その後ドキュメンタリー映画制作会社に入社しキャリアを積んた後フリーに。今、メジャーな日本映画の英語字幕はほとんどといっていいほど、彼女が入れている。
一流の監督たちと仕事をしているうちに、いつか自分も映画を作るという夢を持ち、何年か前には、初プロデユーサーとして特攻隊をテーマにしたWings of Defeatを制作。そして今回、監督&プロデユーサーと、2つの大役をこなし、ついにこの作品が出来上がった。好奇心、探究心、勉強家、努力家、とてもダイナミックな発想を持つ反面、すっごく細かいところまで気がつく。そしてゼッタイにあきらめない。だからこそ、この映画ができたのだと思う。
アメリカ人でありながら、日本のことを誰よりも愛し、日本とアメリカを正当に厳しく評価する目を持つ彼女。
歴史的事実は事実としてしっかり見つめ認めながら、彼女のフィルムは、今まで誰の目にもとまることなかったとてつもない数の一流のアートを通して、これから私たちができることは何なのかを考えさせる、静かにお腹の底にジーンと、とても大切な何かを残してくれる。武石聡さん、永井晶子さんによる音楽も素晴らしかった。
日本公開は9月18日から。日本の若者がどんな受け止め方をするか、とても楽しみだ。そしてあのANPO の時代に生きた世代の人たちが、どんな想いでこの映画を見るのか、とても興味がある。
日本で育ったアメリカ人LINDA、だからこそこの作品ができたのだと思う。誰にもまねのできないユニークなこの作品のこれからが楽しみでたまらない。この映画は、ゼッタイに一人立ちしていくと思う、そして何かがきっと変わる、そんな予感がしている。
Executive Director に、彼女はBetty Hoaglund を選んだ。映画の後で、Bettyさんってどなた、という質問に、19才の時に亡くなった私の愛する母です、と答えていたLINDAの笑みに誇りを感じた。
9.11を土曜日に迎え、弟Richを亡くした親友のSusanが彼女の家族と共にNY訪れ、久しぶりの再会をした。Richは私にとっても、弟のような存在だった。二人で抱きあい、泣きあい、Richを思い出し思い切り笑った。そして LINDAのANPO。
充実した週末だった、私にできるMake A Difference はまだまだこれからだと確信した週末になった。
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(写真はトロント映画祭の始まる入り口で、LINDA HOAGLUND監督、編集:Scott Burgess、音楽:武石聡、永井晶子)