MY FAVORITE DINER "UTOPIA"


さあ、今日はニューヨークのレストランに関するクイズです!

第1問:ニューヨークにあるレストランの数はどのくらいあると思いますか?

答え:登録されているお店だけ合わせると、なんと16,700軒。

第2問:もし16,700軒の違うレストランに毎日通い続けたとしたら、通いきるには何年くらいかかるでしょう?

答え:なんと46年間もかかるんです!

ニューヨークは人種のるつぼと言われるだけあって、レストランの種類も様々な民族に合わせていろいろな国の味が楽しめる街。今日はそんな中、私のお気に入りのレストランのひとつを紹介したいと思います。 場所はアッパーウェストという地域、アムステルダム街の72丁目と73丁目の間にあるUTOPIA = ユートピア。(ユートピアの意味は空想的なとか夢のようなという意味)。ここはどちらかと言うと、レストランというよりも、ダイナー=Diner として今から25年も前、1983年にオープンしました。

このダイナーという言葉の意味は、普通のレストランよりも値段がとても安く店の雰囲気も、ものすごくカジュアル、店の中には必ずカウンター席があること、そしてアメ リカン料理だけでなく、ギリシャやイタリアンなどたくさんの種類のメニューがあること、朝早くから夜遅くまで営業していて、朝食・ランチ・夕食の3食がメニューに用意されていること、というのが主な特徴です。

では、私がなぜこのUTOPIAがお気に入りかと言うと、、、、それは、まず、おいしいこと。どうってことのないシンプルな料理が結構おいしかったりするところがうれしいし、朝食の目玉焼きやトーストの焼き具合がパーフェクトだったりすると思わずニッコリ。満員でも回転率がとても早いので、その分サービスも待たされないですむところ、などがお気に入りの理由です。

でも一番気に入っていることは、ここで働いている人たち、お客さんに対する姿勢がすばらしいこと。全員男性で、そのほとんどの従業員たちは、お店がオープンしてから25年間ずっと働いているのです。それほど彼らはここで働くことをプライドに思っているんですね。

その中に、一人私のお気に入りのウェーターがいるんです。名前はJordan=ジョーダンさん(写真参照)彼は、お客さん一人一人に元気に挨拶をしてくれるだけでなく、その人の何かを必ず誉めてくれるんです。

”今日の笑顔は最高だね”、とか、”そのネクタイ新しいのかい、とてもお似合いだよ”とか。 お年寄りの中には、耳がちょっと遠い人、ツエをついてくる人、一人暮らしの人が多い中、”そのピンクのスカート、とてもセク シーだねえ” とか、視力が弱って口紅がちゃんと塗れず唇から色がはみ出しているお年寄りには、”今日の口紅の色は、セーターとよくマッチしているね、その色きれいだよ。” など。

90才は絶対に越えているだろう、という女性のお客さんの手をとりながら話しかけてあげるジョーダンさんは、お年寄りだけなく、小さな赤ちゃんたちやそのお母さんたちへのやさしい気配りも超一流。男性のお客さんには、スポーツの話しをしたり、バースデーだとわかると、ハッピーバースデーの歌も歌ってくれるんです。その歌声がまた最高にお上手。それもそのはず、ジョーダンさんはどうやら若い時に歌手を目指していたらしいのです。

前から聞いてみたいと思っていた私は、ついにジョーダンさんに質問してみました、”なんであなたはいつでも誰に対してもやさしいのですか?”と。

ジョー ダンさんは答えてくれました、”食事は生活の中でとても大切なことだよ、その大切な時間にボクができること、それはみんなにもっとハッピーになってもらえる会話を提供 することなんだ。そうすればもっと食欲がわいてくる、特に孤独(こどく)な想いをしている人が多い街だからね、その孤独感をボクが少しでも和らげてあげたいと思っているんだよ。人間はみんな一人じゃないんだっていうことを伝えたいだけなんだ。”

この時期ユートピアの店内はクリスマスの明るい飾り付けでいっぱい。これからクリスマスや暮れ、そしてお正月がやってくる中で、一人暮らしや身寄りのない人たちが少しでも明るく過ごしてもらえるようにと、今日もジョーダンさんはみんなに話しかけていることでしょう!

ジョーダンさんのMake A Difference、ステキですねっ♡