昨年日本でも一般公開されたドキュメンタリーフィルム『Wings of Defeat - TOKKO』がサンフランシスコ、ニューヨーク、ワシントンDCの3カ所でプレミアが実現、3月18日の夜にはニューヨークのジャパンソサイテイーで、500名の観客たちがこのフィルムを見に集まりました。
このフィルムは、アメリカで生まれ育った日系アメリカ人の監督、リサ・モリモトさんと、日本で生まれ育った、リンダ・ホーグランドさんがプロデューサーという、すばらしいバックグランドを持つ女性二人によって制作されました。(リンダはミステリオのサポーター、ずっと応援してくださっています。)
今まで見たこともない戦争中の映像や、聞いたこともない元特攻隊員やドレックサー駆逐艦の生存者たちの証言は、とても静かで落ち着いているけれど、それだけに戦争の悲惨さが胸に強く響きます。アニメーションも入れながら展開されるこのフィルムは、できるだけたくさんの若い世代に見てほしい、という監督とプロデューサーの願いもこめられています。
そして、同日行われたもうひとつのイベント。この日の午前中、フィルムにも登場する元特攻隊員の江奈さんと上島さん、ドレックサーの生存者フレッドミッチェルさんと共に、ニューヨークのフラッシングという町の公立高校East West Schoolを訪れました。大きな講堂で多くの学生たちに囲まれ、彼らが語る戦争中の体験談に高校生たちのまなざしに熱さを感じました。また、学生からの多くの質問にも、とても丁寧に答えてくださり、”生きる”ことに大切さ、命の尊さについて85才になる3人から感動的なメッセージをいただきました。もう二度と戦争のコンピューターゲームはしたくない、と涙をうかべながら語ってくれた9年生の男子がとても印象的でした。
(写真右がこの3人、実際に戦争中かぶったという帽子を着用。写真左は高校生たちと一緒に記念撮影)
今も世界のところどころで行われている戦争、いつになったら終わるのか、そして本当の平和とは、、、、とても大きな課題です、自分ひとりの力では何もできない、と思っている人もたくさんいると思います。でも、私たちにできる平和へのMake A Difference は必ず何かあるはずです。
リンダやリサのように映像を通して世界にメッセージを送ることもできる、それを見た私たちが感じた何かを次の世代に伝えていくことだってできる、そして自分の身のまわりで戦争体験をした人を知っていたら、その人たちから話しをじっくりと聞くこともMake A Difference。そして、今回、公立高校を訪れて高校生と意見交換したことや、このフィルムに出会ったこともMake A Difference。
63年前敵国同士戦ったこの3人、63年間毎日見たという戦争の悪夢、でも、このフィルムがきっかけとなり、今こうして手を取り合うことができて最高に幸せだと言う3人。その3人からのとても意味あるメッセージ、それは”命の尊さ”、”人を愛することの大切さ”、そして絶対に憎しみを持って死んではならない、と。
このフィルムのDVDは、日本では19日に発売がスタートされます。ミステリオのみんなだけでなく、たくさんのお友だちに見てほしい、と思っています。