ミステリオ - MSTERIO.jp

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素敵な人生の先輩たちとの貴重な時間

3月になりましたね、春ももうそこまで!!

日本のMSTERIO.jp の活動とは異なる非営利団体 MSTERIO.orgをニューヨークで立ち上げて今年で6年目に突入。でも最近、目指す目標は同じなことに気がつきました、最終的に大事なのは、Make a differenceだから。

ニューヨークでの活動は、旅ができない世界の子供達に手作りのドールをプレゼントすること。ブランクの手作りドールを作ってくださるのは、ニューヨークに住む400人近いボランテイアーの方達。その出来上がったドールを子供達がデコレーションをし、名前やメッセージを書いてニューヨークから色々な場所に旅立つお手伝いをするのがMSTERIO.org  そしてその旅たったドールがどこに行ったのかトラッキングできることも特徴の1つなのです。

ドールにデコレートしながら、まだ会ったことのない誰かのことを想うことで 世界がもっとより近くに感じられたらいいな、世界がもっと良くなるといいな、と信じながら。。。

そこで今日はボランテイアをしてくださっている団体の1つ、ニューヨーク・マンハッタン内にあるシニアホームでの二人の素敵なシニアの方たちとの出会いをご紹介したいと思います。

まず、96歳のBETTYさん。昔、コスチュームデザインとして活躍していた彼女、おしゃれでファッションセンス抜群。人生の後半になって大切なことは、好きなことだけをする、したくないこと会いたくない人とは会わない、無理に合わせない、はっきり笑顔でNOと言えるようになること、などなど、彼女とのお話はいつも時間の経つことを忘れてしまうほど、明るく楽しくユーモアたっぷり。週1でトレーナーと筋トレもしているという彼女、最近は目も見えにくく、耳も聞こえにくく、早く行動ができなくなっても、毎日おしゃれをすることは忘れてはダメよと。亡くなった旦那さんが ものすごく日本が大好きで、ずっと空手をやっていたと 会うたびに嬉しそうに話してくださいます。そんな彼女がドールを1つ購入したいと連絡があったのが12月。自分もデコレートしてみたい、そのドールを誰かに送って欲しいと。

出来上がったドールを取りに来て欲しいと先週連絡を受け今日取りに出かけると、玄関先で待っていてくれた彼女の顔がなんだかちょっと不安そう。

”見てみて、一生懸命やってみたんだけど、ねえ〜ちゃんと目はついているかしら、目玉は飛び出ていないかしら、はみ出していないかしら? 口元は閉まっているかしら? 本当に手先が動かなくなっちゃって、髪の毛もちょっとはげ気味なんだけど、、、” と差し出して下さったのがこの上の写真!

なんて素敵に出来上がっているではありませんかっ!!! さあーこれを誰に送ろう、どこに送ろう、夢がもっと膨らんできます。ありがとう、BETTY。 

そこに私たちの会話を興味深々に聞き入るダンデイーな男性が、こちらを笑顔で見つめている視線を感じた私は、にっこりと会釈をすると、突然その方が、あなた日本人? と日本語でお話しし始めたのです。ここで日本語で話しかけられたのは初めて、びっくりでした。 

6年前に奥様を亡くされ、つい最近、ここに入居してきたこと、自分は90歳だということ、そして今でも週に3回 コロンビア大学に通い研究を続けているとお話してくださり、名刺をいただくと、、、、、なんと コロンビア大学の化学の名誉教授、中西香爾(こうじ)先生だったのです。

お話しながらそっとその場でグーグルしてみると、出てくる出てくる先生のことが!

彼は日本人初のハーバード大学の卒業第1期生(50年以上前のこと)天皇陛下から文化勲章もいただき、化学の世界では相当有名な方。その上、手品がプロ並みだそうで、今の天皇陛下や美智子さまの前でも披露したと、それは嬉しそうに教えてくださいました。香港生まれなのでお名前の最初の漢字に香とつけたお父様は、世界観の広いどんな人に対しても平等な父親だったそうです。

自分が90歳だなんていう意識は全くないし、年を重ねることが年々怖くなくなり、何よりも残りの人生は自分の一番好きな研究をし続けていきたいとも教えてくださいました。

またいつでも遊びにいらっしゃい、と携帯電話番号も教えてくださりバイバイと笑顔で見送ってくださった中西先生。

毎回、ここに出向くことで 素敵な年の重ね方をしている人生の大先輩たちと会えるこの充実した時間、人として大切なたくさんのことを学べるこのひとときはお金では買えない貴重な時間。

また今月も会いに行こうっと! その時は中西先生とのセルフィーもお楽しみに!