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BRAVO GOHEI!


今年の夏、ミステリオ・スイートチャリテイーコンサートに出演、その直後ミステリオサマーキャンプで、ミュージック・デイレクタ−を務めてくださったNISHIKAWA GOHEIさんのリサイタルが、昨晩、ニューヨークのカーネギーホール Weill Recital Hallで行われました。チケット完売。


会場には Marianna, Asako, Nao, Yasuko, Rasheem, Simon や何人かのキャンパーたちの、 なつかしいミステリオの仲間の顔も見かけましたよ。

今回は北海道からいらしたソプラノの歌手・ 高橋雅子さんの伴奏、そして彼自身のソロ演奏と、最初から最後まで出ずっぱりのGOHEI。

プログラムの1部は、みんなに馴染みのあるオペラや宮崎駿(はやお)の映画作品主題歌でスタート。後半はミュージカルから有名な曲を3曲。私が感動したのは、1部の最後の曲。だって、なんとこの夏のサマーキャンプでテイーンズたちが見事な演技と歌唱力を見せてくれた”あの”Sound of Musicの最後の曲、『Climb Every Mountain=すべての山に登れ』だったのです。まるで あのキャンプ場の美しい山々が見えてくるような感動でした。

そしていよいよ2部、GOHEIのソロ演奏

荘厳で緊張感に包まれた空気の中、まずプーランク作曲の即興曲第15番で幕を開いたGOHEI。この曲そのものが持つ美しくせつない旋律に、少しづつ観客の心に響き渡り始めました。

2曲目はメンデルスゾーン作曲の無言歌集。この曲は、2つの旋律がそれは美しく交互に、まるで恋人同士が二重奏を奏でるかのような曲。この時には、すでに観客全員がGOHEIの演奏に完全にとりこ状態。表現力、彼の人間性、今まで培ってきた努力、そのすべてがホールいっぱいに響き渡り、私達の心に癒しを与えてくれたのです。

3&4曲目は、ショパンのノクターンの中でも、最もドラマチックな作品と言われている作品48-1、そしてスクリャービン作曲のエチュード 作品8-12。こちらは、最後まで途切れなく続く右手のオクターブと、左手は一瞬の休みなく最後まで音が動き続ける、というそれは高度なテクニックを必要とされる難しい曲を演奏してくれたGOHEI。

1999年、将来すばらしいピアニストになると約束されNYに渡ったGOHEI。2005年その彼を襲った ディストニア(dystonia)という神経性の病気。両手の演奏機能を完全に失い、ドクター全員から完治は不可能と言われながらも、あきらめずに自分なりのリハビリを続けた彼。 少しづつ右手の機能が快復し続け、今は右指が4本、左指が2本が動くようになったGOHEI。

人の何十倍も練習をしなくてはスタート地点にも立てない、緊張しすぎても、指の動きが悪くなる、というハンデイーを持ちながらも、昨晩の彼の演奏は、まるで彼に何か特別な光があたったかのような素晴らしさでした。

2人の演奏が終ったその瞬間、盛大な拍手と会場を埋め尽くした観客全員が一斉に総立ち。鳴り止まない拍手に、思わずGOHEIの頬に涙がすーっと流れていました。

あの異常なほどの観客の熱気はどこから来たんだろう、と考えた時、彼の演奏の内容はもちろんのこと、GOHEIを応援したいと思うとてつもない大きなエネルギ−と、彼を見守るみんなの大きな愛の力があったからだと心から感じました。

もう大丈夫、GOHEIはこれから指の障害を持っていようとも、これだけのニューヨーカーたちが応援してくれる中で、どんどん力を出して演奏活動をしていけると思う。

たくさんのMake a Differeceを示してくれたGOHEI、ありがとう。

おめでとう、雅子さん。BRAVO、GOHEI!!! (写真撮影は絶対禁止なのですが、内緒でそっと撮った写真を掲載しちゃいます。)